今回は“飲食店営業許可”について、ご説明いたします。
※大阪府が定めた施設基準を元にご説明しておりますが、各自治体で申請手続の内容は異なりますので必ず各自治体の手引きなどで確認をお願いいたします。
食品衛生法に基づく営業許可
どこかでお店を借りて、または購入してカフェや居酒屋を経営したい!
あるいはベーカリーをつくってパンを製造、販売したい!
こういった場合は保健所に申請し、営業許可を受けなければいけません。
営業する内容によっては、申請ではなく届出だけで良いもの。
あるいは別の申請が必要なものがあります。
例えば八百屋さんのような簡単な食品の製造・加工または販売のみですと届出で大丈夫ですし、
また接客を伴うキャバクラですと警察に申請する風営法に基づいた許可も必要です。
最近ではキッチンカーで飲食店を営業される方も増えましたが、この場合の施設基準や申請には異なる部分もあります。
迷ったら保健所や行政書士に相談することをお奨めします。
① 事前準備・相談
■ 一般的な“飲食店営業”についてご説明しますが、他の各業種ごとに施設基準や申請方法が異なりますので、営業所所在地の管轄保健所の窓口で事前相談することをお奨めします。
大阪府各管轄保健所
(池田、茨木、守口、四條畷、藤井寺、富田林、和泉、岸和田、泉佐野)
大阪市(大阪市内各生活衛生監視事務所)
堺市 豊中市 高槻市 枚方市 東大阪市 八尾市 寝屋川市 吹田市
■ 特に内装工事を伴う場合は、営業所の設計図面等を持参すれば、スムーズな許可取得につながります。
■ 施設ごとに食品衛生責任者を選任
営業者は、施設の衛生管理にあたって中心的な役割を担う者として、食品衛生責任者を設置することが必要となります。
《食品衛生責任者になるための資格要件(下記1~3のいずれかの資格が必要)》
1 食品衛生監視員、食品衛生管理者
2 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、食鳥処理衛生管理者、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者
3 食品衛生責任者養成講習会の修了者
※食品衛生責任者の有資格者がいない場合は、食品衛生責任者養成講習会を受講してください。
受講を希望される方は、(公社)大阪食品衛生協会ホームページをご覧いただくか、
電話:06-6227-5390にお問合せください。
■ HACCPに沿った衛生管理の実施
法改正により、HACCPに沿った衛生管理が義務化されました。
HACCPに沿った衛生管理には、
1 HACCPに基づく衛生管理
2 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理
があり、多くの事業者が2の対象となります。
“2 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理”の内容について
業界団体が作成した手引書(※)に基づき、衛生管理計画を作成したうえで、
毎日の衛生管理の実施や記録の作成・保存を行うことが必要となります。
※手引書は、厚生労働省ホームページをご覧ください。
② 申請
必要な書類をそろえて営業開始の2~3週間前までに保健所へ申請
□ 営業許可申請書 ×1部 (控えが必要な場合は2部)
□ 営業施設の大要(図面)×2部
□ 食品衛生責任者の資格証 (コピー)
□ 法人の場合は、登記事項証明書(コピー)
※発行から3ヶ月以内
□ 井戸水等使用の場合は、水質検査成績書(26項目)
□ 申請手数料(現金のみ、申請書受理後は返金不可)
※その他、営業する内容により必要な書類があります。
★ 代表的な施設基準
・ 2槽シンク(流し台)を設置すること
・ 2槽シンク以外に、厨房内に手洗い設備を設置すること
・ 手洗い設備の水洗は、洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること
・ 従業員が使用できるトイレを設置すること
・ トイレに専用の流水式手洗い設備を設置すること
・ 給湯器・湯沸器等で熱湯を供給できるようにすること
・ 扉のある食器戸棚を設置すること
・ 蓋のある廃棄物容器(ゴミ箱)を設置すること
☆ 一部の自治体で施設基準・許可要件として必要であると指示された一例
・ 客室内にも手洗い設備を設置すること
・ 従業員専用更衣室を設置すること
・ 便所と調理場が隣接しないこと
・ 客室と調理場の境界はドア等で区画を設けること
・ 検便をすること
・ 手洗い設備には固定式の消毒設備を設置すること
・ 床材の指定
・ 食品衛生責任者を設置するタイミング
・ 衛生管理計画、衛生管理記録表を備え付けること
③ 検査
■ 電気・ガス・水道は開通している状態
■ 施設基準に適合していなければ、再検査
■ 合格すれば通知書をいただける(2~3週間後に営業許可証と引き換える)
④ 許可・交付
■ 書類審査、現場検査に合格した場合は、許可期限、許可条件を付して許可される
■ 通知書と認印を持って行き、営業証を受領
いかがだったでしょうか?
そこまで難しくありませんが、各自治体で少し基準が違う(ローカルルール)であったり、
お店の開業準備はもちろん、それ以外にもしなくてはいけない手続きが必要な場合もあり、
なかなか侮れません。
わからないことがあれば、ヴィーノ行政書士事務所までご連絡ください。