産業廃棄物収集運搬業の許可申請

今回は“産業廃棄物収集運搬業の許可申請”について、ご説明いたします。

※大阪府を参考にご説明しますが、各自治体により違いがありますので、
 必ず各自治体の手引きで確認するようにお願いします。

■ 産業廃棄物収集運搬業の基本事項

産業廃棄物とは?

・産業廃棄物

事業活動に伴って生じた廃棄物で20種類に分類される。

※特定の業種から生じたものに限定される種類がある
紙くず
[建設業、紙又は紙加工品の製造業、新聞業、製本業、印刷物加工業]

木くず
[建設業、木材又は木製品の製造業、輸入木材の卸売業、貨物流通業、物品賃貸業]

繊維くず
[建設業、繊維工業]

動植物性残さ
[食品・医療品・香料の製造業]

動物系固形不要物
[畜産農業]

動物の糞尿・死体
[畜産農業]

・特定管理産業廃棄物

産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康
又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある症状を有するもの

石綿、水銀、水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、
その旨を明らかにする必要があります。
詳しくは手引きをご参照ください。

許可の要件

許可を受けるための要件は次のとおりです。
許可申請に際しては、これらの要件をあらかじめ満足 させておくことが必要です。

(1) 収集運搬の施設に係る基準

申請時には次の基準に従って、必要な施設等(ダンプトラック、吸引車等の運搬車両、
ドラム缶、 フレキシブルコンテナバック等の運搬容器等)を有する必要があります。
詳しくは手引きをご参照ください。

(2) 産業廃棄物処理業許可取得のための講習会

次に掲げる者が産廃の講習会を修了していることが必要です。
(講習会:日本産業廃棄物処理振興センター)

①法人 その代表者、その業務を行う役員、政令で定める使用人のいずれか。
②個人 申請者本人、政令で定める使用人のいずれか。

【修了証の有効期限】
新規講習:5年 更新講習:2年

(3) 経理的基礎

申請にあたっては、産業廃棄物の収集又は運搬を的確に、
かつ、継続して行うに足りる経理的基礎 を有することが必要です。

①利益が計上できていること
利益が計上できているか否かについては、原則として、
過去3年間程度の損益平均値をもって判断するが、
欠損である場合でも直前期が黒字に転換しており、
かつ、経営の改善の見込みがあるときは、容認される余地がある。

②自己資本比率が10%を超えていること
(自己資本比率:貸借対照表上の純資産の額を、負債合計額で除して得た値)
自己資本比率が10%を超えていない場合であっても、
少なくとも債務超過の状態でなく、かつ、持続的な経営の見込み又は
経営の改善の見込みがあるときは、容認される余地がある。

③申請にかかる事業の将来の見通しについて
適切な収入が見込まれると判断できるものであること

(4) 欠格要件

申請者(法人の役員、株主又は出資者、政令で定める使用人も対象)が、
次のいずれにも該当しな いことが必要です。
なお、許可後においても次のいずれかに該当した場合、
当該許可の取消しなどの処分がなされま す。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第14条第5項第2号イからへ
イ 第7条第5項第4号イからチまでのいずれかに該当する者
ロ 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
ハ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で
その法定代理人がイ又はロのいずれか に該当するもの
ニ 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに
イ又はロのいずれかに該当する者のある もの
ホ  個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
へ  暴力団員等がその事業活動を支配する者

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第7条第5項第4号イからチ
イ 成年後見人、被保佐人
ロ 破産者で復権を得ない者
ハ 法令を問わず禁固以上の刑に処せられてから5年を経過しない者
二 廃掃法、環境保全法、刑法(※)、暴力団不当防止法などの法律違反によって
罰金刑以上の刑に処せられてから5年を経過しない者
※刑法のうち傷害罪、現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合及び結集罪、
脅迫罪、背任罪に違反した場合のみ
※刑について判決が確定してから該当することになる
ホ 廃棄物処理業、浄化槽清掃業の許可を取り消された者で
取消日から5年を経過しない者
 取消の処分に関わる聴聞の通知があった日前の60日以内に
法人の役員(実質的な支配力を有する者を含む)であった者で、
当該取消の日から5年を経過しない者
へ 取消の処分にかかわる聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は
処分をしないことを決定する日までに事業廃止の届出をした者で、
当該届出の日から5年を経過しない者
ト 取消の処分に関わる聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は
処分をしないことを決定する日までに事業廃止の届出があった場合、
聴聞の通知があった日前の60日以内に当該届に係る法人の役員若しくは
政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しない者
チ その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると
認めるに足りる相当の理由がある者

許可申請手続きにおける共通事項

(1) 許可の申請先について

政令市(※)の管轄区域を越えなければ政令市の許可だけで問題ありませんが、
超えるときは、大阪府の許可が必要です。
積卸しを行う先が他府県や政令市であればその自治体の許可も必要

※大阪府内では、大阪市、堺市、東大阪市、高槻市、豊中市、枚方市、八尾市、寝屋川市、吹田市が該当

(2) 許可の有効期間の特例について

(特別管理)産業廃棄物処理業者が優良基準に適合していると認めるときは、
当該許可の有効期間は7年と なります(それ以外の場合は5年)。
詳しくは手引きをご参照ください。

⑶ 許可申請書の提出

許可申請書に必要な事項を記入例に従って記入し、正副1部づつ
必要な添付書類を原則A4で作成の上、順番にそろえて提出してください。
郵送では受付けておりません。

手数料は(特別管理も)新規は81000円、更新・変更は71000~74000円です。
主に現金での支払いが多いので、ご用意ください。

⑷ 審査

審査の標準処理期間は60日です。

⑸ 許可証の交付

審査の結果、許可申請内容が許可の要件に適合しているときは、許可証を交付します。

⑹ 許可証の再交付

許可証の再交付の手続きについては、交付を受けた行政庁に問い合わせください。

更新許可申請

✧ 基本的に5年ごとに許可の更新の申請をしなくてはいけません。

✧ 手続は、許可の有効期限の3か月前から受付けられます。
許可期限日の2か月前までに申請のない場合は、事務処理の都合上、
許可期限日までに新しい許可証を発行できない場合があります。

✧ 有効期限が過ぎていない産業廃棄物処理業許可申請のための
講習会の修了証が必要です。

✧ 変更届について、役員や車両等の変更があったときは、
10日以内(法人の 場合において登記事項証明書を添付する場合にあっては、
変更の日から30 日以内)に届け出が必要です。
更新許可申請時には変更届出の漏れがない かを確認し、
漏れがある場合は許可申請時に申し出てください。

✧ 提出部数は正本1部・副本(正本のコピー可)1部の計2部です。

✧ 上記のほか、許可の有効期間の特例制度があります。
詳しくは、手引きをご参照下さい。

※なお、許可の有効年月日が閉庁日(休祝祭日)に当たる場合、
休祝祭日の翌日の 受付が可能です。

事業範囲変更許可申請

収集運搬業の許可を受けた者は、次のような場合に、変更許可の対象となります。

1 取り扱う産業廃棄物、又は特別管理産業廃棄物の種類を追加する場合
※許可証に石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物
又は水銀含有 ばいじん等を「除く」の記載があり、
「含む」に変更する場合は変更 許可申請が必要です。

2 積替え・保管施設を新設する場合

積替え・保管施設を新設等する場合には、そのための許可が必要となります。
まずは、施設の所在地を管轄する行政庁で事前に相談してください。

許可のある積替え・保管施設以外での廃棄物の車両等から車両等への積替えや
一時的な保管、廃棄物を積んだ車両等を日付を超えて停めておく行為をすることは
違法です

有効期限が過ぎていない産業廃棄物処理業許可申請のための
講習会の修了証が必要です。

変更届について、役員や車両等の変更があったときは、
10日以内(法人の場合にお いて登記事項証明書を添付する場合にあっては、
変更の日から30日以内)に届け出が必要です。
変更許可申請時には変更届出の漏れがないかを確認し、
漏れがある場合は許可申請時に申し出なくてはいけません。

提出部数は正本1部・副本(正本のコピー可)1部の計2部です。

変更届出等の手続き

(1) 変更届

次の事項に変更が生じた場合には、変更の日から
10日以内(法人の場合において登記 事項証明書を添付する場合にあっては、
変更の日から30日以内)に届出をしなけれ ばなりません。

① 事業の一部廃止
② 氏名又は名称
③ 未成年者の法定代理人(法定代理人が法人の場合、その役員を含む)
④ 政令第6条の10に規定する使用人
⑤ 法人にあってはその役員または100分の5以上の株主又は出資者
⑥ 住所並びに事務所、事業場及び駐車場の所在地(移転・住所表示の変更)
⑦ その他、事業の用に供する主要な施設(運搬車両等)

提出部数は正本1部・副本(正本のコピー可)1部の計2部です。

氏名、名称(法人の代表者の変更を含む)、住所など許可証の記載事項に
変更がある場合 は、許可証の書換えも併せて行います

車両変更の場合、届出対象となる増車又は減車する車両の届出だけでなく、
継続して使用 する車両も記載し、届出して下さい。
届出の際は、可能な限り登録車両の順番を変更しないようお願いします。
また、既に許可を有している場合、写真を添付していただく車両の両側面には、
産業廃棄物収集運搬車に係る表示をして下さい

変更届は郵送や大阪府行政オンラインシステムを利用しての
電子(大阪府のみ)での受付も可能です。

※ 許可証の書換えを伴う変更の場合は、各行政庁にお問い合わせください。

(2) 廃止届

事業の全部を廃止した場合は、廃止の日から10日以内
届出をしなければなりま せん。

提出部数は正本1部・副本(正本のコピー可)1部の計2部です。

廃止の届出の際、許可証を返納しなければなりません。

変更届出等の手続き

(1) 許可証の取扱い
・許可証は事務所等の見やすい場所に掲示してください。
・他人に譲渡したり、又は貸与することはできません。
・廃業等の理由によって不要となった許可証は、速やかに返納してください。
許可証の写しを、運搬車両等に備え付けておいてください。

(2) 取り扱うことができる産業廃棄物
・取り扱うことのできる産業廃棄物は許可証に記載されている種類に限られており、
それ以外の産業廃棄物を取り扱うことはできません。

許可取得後の義務

運搬車に必要な事項を表示をしたり、備えておかなくてはいけない帳簿など
細かい規定が多くあります。
詳しくは、手引きをご参照下さい。

いかがだったでしょうか?

申請の内容によっては申請先が2ヶ所以上だったり、

申請先ごとにローカルルールがあってうまく通らなかったりします。

わからないことがあれば、ヴィーノ行政書士事務所までご連絡ください。

“建設業許可とは?”

“解体工事業の登録”